留日60周年 祝辞



台湾高座会留日60周年歓迎大会

実行委員長  石川公弘氏

台湾全国少年飛行兵会会長

蔡焜燦氏




台湾高座会留日60周年歓迎大会 実行委員長   石川公弘
  
  月日の流れは真に速いものです。1993年6月9日、私たちは台湾高座会一千三百名の方々の、 「第二の故郷への里帰り」を、盛大に行うことが出来ました。

  あの日から十年経ち、私たちは台湾高座会の人々を、再び熱烈に歓迎しようとしています。こ の十年、私たちと台湾高座会の人々との交流は、非常に密なものとなり、相互の理解は飛躍的に 深まりました。台湾高座会と私たちの問には、今や兄弟とも言える心の交流があり、彼らの宿願 だった六十年ぶり卒業証明書授与式を、私たちはわがことのように喜んでいます。

  しかしながら、これまでに至った経過には、多くの人の人知れぬ苦労と努力がありました。何 よりも私たち日本人は、「戦時中の難難辛苦を、むしろ心の糧として立派に生き抜いた」と言っ てくれる、台湾高座会の皆さんの寛容さに、感謝しなければなりません。それと同時に、戦後の 混乱期にもかかわらず、常にかっての部下を思い、戦いの中で死んでいった台湾少年工の慰霊の ため、心を砕いた早川金次さんの存在も、忘れてはなりません。また、それに協力してくださっ た善徳寺柳沢住職にも、心から感謝しなければならないと思います。

  実に多くの人々の協力を得て、今回もこの歓迎大会が盛大に挙行できますことを、心から感謝 申し上げます。とくに、台湾から、陳水扁総統と李登輝前総統が、異例とも言えるメッセージを お寄せくださいました。台湾高座会歓迎のご挨拶と共に、歓迎大会実行委員会を代表して、心か らお礼を申し上げる次第です。
                                  2003年10月20日



台湾高座会留日60周年 特別記念大会

台湾全国少年飛行兵会会長  蔡焜燦

60年ぶりのご卒業おめでとうございます

 高座海軍工廠(空C廠)元少年工の皆様、60年ぶりの卒業式、まことにおめでとうござ います。このたびの卒業証書並びに在職証明書授与式は、高等小学校を卒業したばかり の少年たちが、B29迎撃用の戦闘機「雷電」の製造に携わっていたという、世界の歴史に も例のない、空前絶後の事実をあかしするものです。皆様方はあの大戦下、命懸けで学び 戦い抜いた誇り高き台湾の英雄です。私はこのたび、日本での特別記念大会のことを聞き、 我がことのようにうれしい思いで一杯です。

  皆様方が、当時宿舎のあった大和市上草柳を、第二の故郷として大切に思っておられ ると同じように、私も日本に第二の故郷があります。岐阜陸軍航空整備学校奈良教育隊 で終戦を迎えた私は、中隊長の呼びかけに応じ、丹波の山奥(京都府美山)で仲間十数人 と一緒に炭焼きをしていました。我々が軍服のまま真っ黒になって炭焼きをしていると、 地元の人々、子供たちまでも「兵隊さんこれを腹の足しにしてください」と山芋や炒り大 豆などを差し入れてくれました。その時受けた温かい人の情と山の自然の美しさは、今 も深く心に焼きついて忘れることができません。

  台湾から引き揚げていった日本の人々にとっては、台湾はまさに故郷そのものであり、 会も台湾を懐かしんで交流が続いています。台湾高座会の皆様は日本の大和を第二の故 郷として懐かしんでおられます。台湾人と日本人の間には深い心の交流が可能です。 響きあう精神構造を持っています。お互い青春時代の痛烈な思い出を胸に秘め、台湾と 日本の将来のため、共に頑張ってまいりましょう。



高座会TOPページ

TOPページ